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消費税の計算と端数処理 ​

まるっと請求書が消費税額をどう計算しているかを説明します。

Shopify の注文画面に表示される消費税額と、発行した請求書の消費税額が数円違うことがあります。これは不具合ではなく、計算の方式が違うためです。

1. 税率ごとにまとめて計算します ​

日本のインボイス制度では、消費税額を明細行ごとではなく税率ごとにまとめて計算します。端数処理は税率ごとに1回だけです。

税抜 ¥105 の商品を3行(いずれも標準税率10%・端数は切り捨て)で比べると、次のようになります。

計算方法計算消費税額
明細行ごとに計算して合計(採用していません)⌊105 × 10%⌋ × 3 行 = 10 × 3¥30
税率ごとにまとめて計算(まるっと請求書の方式)⌊(105 × 3) × 10%⌋ = ⌊31.5⌋¥31

行数が多い注文ほど差が開きます。Shopify の注文画面に表示される消費税額は、明細ごとの税額を足し上げた値です。 そのため請求書の消費税額と数円違うことがあります。

集計は「税区分」と「実際に適用された税率」の組み合わせごとに行うため、軽減税率枠に複数の税率が併存する請求書(8%の品目と1%の品目が混在する場合など)でも、「税率ごとに1回」を満たします。

2. 税区分は4種類です ​

税区分帳票の表示対象になる明細消費税額
標準税率10% などShopify の税率が 9.5% 以上の明細税率で計算
軽減・特例税率8% 1% などShopify の税率が 0% 超 9.5% 未満の明細税率で計算
非課税・不課税非課税Shopify で「税金を請求する」がオフの商品など、税額のない明細¥0
輸出免税輸出免税国外へ発送した商品と、その送料(下記)¥0
  • 税率の値は決め打ちしていません。計算には Shopify の注文に記録された税率をそのまま使います
  • 標準税率と軽減税率の区分は閾値(9.5%)で判定します。 「8%かどうか」で判定していないため、軽減税率が改定されても(2027年4月からの飲食料品1%、2029年4月の8%への戻し)区分は正しく判定されます
  • Shopify の税額が0円の明細は非課税として扱います。既定の10%で補うことはしません
  • 明細の「税金を請求する」がオフの場合は、Shopify が税率10%・税額0円の情報を返していても非課税として扱います。管理画面で手動作成した注文や、見積書から作成した注文で起きます
  • 定期購読の新聞(税率改定後も軽減8%のまま)は区別していません。Shopify で新聞を販売する店舗がないため、選択肢にも警告の文言にも出していません

3. 端数処理の方式 ​

設定 ›[会計・税]で選択します。

方式例(税額 ¥31.5)
切り捨て¥31
四捨五入¥32
切り上げ¥32

端数処理は税率ごとに1回だけ適用されます。明細行ごと・店舗ごとの小計ごとには適用しません。

以前は会計ソフト互換プリセット(freee・弥生・マネーフォワード)を用意していましたが、各社とも公式ドキュメントに既定の端数処理方式を明記していないため、プリセットは削除しました。方式は上の3つからお選びください。

4. 税込(内税)と税抜(外税) ​

設定 ›[会計・税]で、Shopify から取得した金額を税抜・税込のどちらとして扱うかを選べます。既定は Shopify の注文の設定に合わせます。

  • 税抜(外税): 小計に税率をかけて消費税額を求めます
  • 税込(内税): 税率ごとの税込小計から消費税額を逆算します

税込モードでは、単価を1個ずつ税抜に換算し、金額は税率ごとに丸めた小計を按分します。そのため「単価 × 数量」と「金額」が一致しない行が生じます。この場合、帳票では単価を金額に合わせて印字します(割り切れない場合は ¥3,618.5・¥2,412.33 のように小数で表示)。金額・消費税額・合計は変わりません。

5. 税額調整(Override) ​

Shopify の自動計算と、会計ソフトの計算結果に端数処理の差が出る場合、消費税額を手動で調整して金額を一致させられます(Basic 以上)。

注文詳細で税率ごとの消費税額を入力し、調整の理由をメモとして残せます。

  • 調整すると、帳票に「税額調整済み」と印字されます(メモを入力した場合はメモも印字されます)
  • 注文詳細には、Shopify の自動計算との差額が表示されます
  • 仕訳CSVは調整後の値を使います。ただしマネーフォワードは取り込み時に消費税額を自動計算するため、税額調整の値を持ち込めません(エクスポート画面で案内しています)
  • 発行後に注文が編集・返金されると、調整の前提になった金額が変わります。この場合は調整を当てずに自動計算値で出力します
  • 請求単位が「発送単位」の店舗では、Shopify の注文税額との比較を行いません。請求書に載るのは注文の一部なので、一致しないのが正常です

税額調整では直らないもの

  • 送料の課税漏れ(下記): 消費税額を足しても、送料の行は非課税のまま印字されます
  • 税率の設定漏れ: 消費税額は合わせられても、印字される税率は旧税率のままです

どちらも修正する場所は Shopify の税設定です。

6. 輸出免税(国外へ発送した商品と送料) ​

Shopify は国外への注文に税をかけないため、商品も送料も税額のない状態で届きます。しかし輸出は消費税法上「免税」で、課税売上に含まれます(課税売上割合の分母と分子の両方。国税庁タックスアンサー No.6405)。「対象外」(不課税)として会計ソフトに取り込むと、課税売上高から輸出の分が抜け、免税点・簡易課税の判定に使う売上も少なく出ます。

そのため、非課税・不課税とは分けて「輸出免税」として記録します。

輸出免税になる条件 ​

Shopify の税率で非課税になった明細のうち、次のすべてに当てはまるものです。

  • 発送を要する明細、または送料であること

  • 配送先の国が日本以外であること

  • デジタル商品(発送を要しない商品)は、国外のお客様でも「対象外」(不課税)のままです。非居住者へのサービスには免税になるものもありますが、アプリでは区別できません

  • 配送先がない注文・国が取得できない注文は、これまでどおり非課税として扱います(輸出と決めつけません)

  • 税がかかっている明細(国外の付加価値税を徴収する設定など)はそのままです(下記の「扱っていないこと」)

帳票と仕訳CSVでの扱い ​

  • 帳票には「輸出免税対象: ¥X / 消費税: ¥0」と印字します。非課税の小計には含めません(二重に印字しないため)
  • 仕訳CSVの税区分は、弥生会計が「輸出売上」、freee が「輸出売上」、マネーフォワードが「輸売 0%」です(2026年10月に各社の公式ページで確認)。freee は初期状態では「輸出売上」が使えない設定のため、エクスポート画面で設定の変更を案内しています
  • 電子帳簿保存法の検索結果の CSV には「輸出免税」の列を末尾に追加しています
  • 輸出免税を区別する前に発行した請求書は、発行時の記録のまま出力します(輸出の分は非課税に含まれ、仕訳CSVも「対象外」になります)。再発行すると輸出免税として記録し直され、仕訳CSVも「輸出売上」になります(発行日は最初の発行日のままです)

7. 返金と注文の編集 ​

請求書に載せるのは、返金・削除された分を除いた数量と金額です。

  • 返金された明細・注文の編集で削除された明細は、請求対象から外れます。数量が0になった明細は請求書に載りません
  • 明細の金額は「単価 × 残っている数量」で再計算し、割引・消費税額も残存比率で按分します
  • 送料は、Shopify 側の割引・返金・注文編集を反映した金額を使います
  • 請求対象の明細が0件になった注文では、帳票を発行しません。 合計0円の証憑が残ると取り消せないためです。合算請求書では、そうした注文を除外したうえで、除外したことを画面に表示します

注文の編集による削除と、実際の返金は Shopify の API 上まったく同じ形で現れるため、区別できません。「削除だけ除外して返金は残す」ことはできません。

明細に現れない金額 ​

チップ・追加手数料・金額を指定した返金(明細に紐づかない返金)は、個別には扱っていません。税率ごとの按分が一意に決まらず、税率別の内訳の正確性を損なうためです。

代わりに、アプリの自動計算した税込合計と、Shopify の注文の合計との差を検知して、画面に警告を表示します(発行は止めません)。合算請求書では注文ごとに判定します。

8. 明細の割引の表示 ​

割引が適用された明細は、「金額 = 単価 × 数量(割引前)」を表示し、直下に 割引 -¥1,000 の行を印字します。

  • 設定 ›[デザイン]の「明細に割引の行を表示する」をオフにすると、割引後の単価と金額だけを印字します(全プラン)
  • 発行した書類は、この設定を書類ごとに記録します。 設定を変更したあとに再ダウンロードしても、交付した書面と同じ見え方になります。記録のない以前の書類は割引の行を表示します
  • 割引額は、保存値ではなく帳票上の表示値から逆算します(単価 × 数量 − 金額)。税込モードでは単価・金額が税抜に換算されるため、Shopify から取得した割引額(税込)をそのまま引くと、帳票上の「単価 × 数量 − 割引 = 金額」が数円合わなくなります
  • 小計・消費税額・合計は、割引の表示方法によって変わりません(もともと割引後の金額で計算しています)

税込モードと税額調整を併用した場合、印字される割引額が Shopify 上の実際の割引額から調整分だけずれます。帳票内の計算(単価 × 数量 − 割引 = 金額)は常に成立しますが、割引額を Shopify と突き合わせる用途には使えません。

9. アプリが表示する警告 ​

いずれも発行は止めません。確認のうえ発行するか、Shopify 側の設定を修正してから発行するかを選べます。

警告内容修正する場所
送料の課税漏れShopify で「配送料に売上税を請求する」が無効だと、送料が非課税として印字されますShopify の税設定
軽減税率の設定漏れ注文日の時点ではありえない軽減税率の明細がありますShopify の税設定
注文金額との食い違い自動計算の税込合計と、Shopify の注文の合計が一致しません(チップ・追加手数料・金額指定の返金など)内容を確認してください

送料の課税漏れは、Shopify 側の送料の税額も0円になるため、注文金額との食い違いでは検知できません。 国内の取引では送料も課税対象です。注文詳細・合算請求書の警告だけでなく、ダッシュボードでも店舗の設定を確認して表示します(自動発行・一括発行・お客様のセルフ発行だけを使う店舗は、注文詳細を開かないためです)。

判定するのは「課税の商品」と「非課税の送料」が同じ注文に並ぶときだけです。商品もすべて非課税の注文(国外発送の輸出免税など)では、送料だけを課税にするのが正しいとは限らないためです。

なお、アプリ側で送料を課税扱いに変えることはしていません。 Shopify の注文金額・税額と食い違い、お客様が実際に支払った金額と請求書がずれるためです。

10. 扱っていないこと ​

国外への注文で、Shopify が外国の税を徴収した明細 ​

豪州の GST・カナダの GST などを Shopify が徴収した明細は、日本の消費税として扱われます(税率から標準税率・軽減税率に区分され、「消費税」と印字され、仕訳CSVでも課税売上になります)。日本の消費税では輸出(免税)にあたるため、消費税を多く計上することになります。

外国の税を帳票と仕訳でどう分けるかを決める必要があり、現時点では扱っていません。該当する注文では、同じ注文の課税されていない送料だけが輸出免税になります。

外国の税を徴収するには、店舗がその国の税の登録(EU の IOSS・英国の VAT・豪州の GST など)をしている必要があります。該当する運用をされている場合は、仕訳の取り扱いを顧問税理士にご確認ください。

関税 ​

チェックアウトで関税を徴収した注文では、請求書の合計がお客様の支払った額より少なくなります。関税の取り扱いは、仕向国で誰が輸入者になるかによって変わるため、アプリでは扱っていません。


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