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インボイス制度への対応
適格請求書(インボイス)に必要な記載事項を、アプリがどこから取得して印字しているかを説明します。
適格請求書には6つの記載事項が必要です。まるっと請求書は、設定した発行者情報と Shopify の注文から、この6項目をすべて印字します。
法定記載事項と、印字する内容
| 法定記載事項 | 帳票に印字する内容 | 取得元 |
|---|---|---|
| ① 発行事業者の氏名・名称と登録番号 | 会社名・登録番号(T+13桁)・住所 | 設定 ›[発行者情報]。発行した時点の値を書類ごとに記録します |
| ② 取引年月日 | 発行日(日本時間) | 発行した日。再発行しても最初の発行日のままです |
| ③ 取引内容 | 明細の品名。軽減税率の対象品目には※を付けます | Shopify の注文の明細 |
| ④ 税率ごとに区分した対価の額 | 税率ごとの小計(税抜) | 税率ごとの内訳(消費税の計算) |
| ⑤ 税率ごとの消費税額と適用税率 | 税率ごとの消費税額と、その税率 | 税率ごとの内訳 |
| ⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名・名称 | 宛名(敬称つき) | 注文の請求先住所/選択した取引先/お客様が入力した宛名 |
① 発行事業者の氏名・名称と登録番号
登録番号は、設定の[発行者情報]に入力した値をそのまま印字します。
- 会社名と登録番号の両方が入力されていないと、書類を新しく発行できません。 発行者の記載が欠けた請求書が交付されるのを防ぐため、管理画面からの発行・一括発行・自動発行・合算請求書・お客様のセルフ発行のすべてで確認します
- 自動発行は、未入力の場合は発行を見送ります。お客様のセルフ発行は、未入力の店舗ではブロック自体を表示しません
- 発行者情報(会社名・登録番号・住所)は、発行した時点の値を書類ごとに記録します。住所の移転や登録番号の変更があっても、交付済みの書類を再ダウンロードすると当時の内容で出力されます
- 印影・ロゴ・振込先は、記録ではなく現在の設定を使います
② 取引年月日
適格請求書の記載事項は「課税資産の譲渡等を行った年月日」です(消費税法57条の4)。書類を作り直した日ではありません。
- 発行日は 日本時間(JST) で組み立てます。サーバーは UTC で動いているため、日本時間の0時台に発行した書類が前日付になることを避けています
- 再発行しても、発行日は最初に発行した日のままです。 再発行のたびに当日の日付にすると、同じ番号の請求書の請求日が交付済みの書面と食い違い、電子帳簿保存法の検索(取引年月日)や会計ソフトの仕訳日も再発行した月に動いてしまいます
- 領収書・納品書も同じ扱いです(納品書は納品日も最初の発行時のまま)
- 請求書番号にも発行日が入ります(
INV-20260115-090503のように、日付+時刻または日付+連番)
③ 取引内容
明細の品名は Shopify の注文からそのまま印字します。
- 軽減税率・特例税率の対象品目には ※ を付け、帳票の下に注釈を印字します(「※ 軽減税率(8%)対象品目」)
- 軽減税率枠に複数の税率が併存する場合は、注釈に税率を列挙します
- 注釈の文は、固定の文字列ではなく実際に適用された税率から生成します
- 返金された明細・注文の編集で削除された明細は、請求対象から外れます(消費税の計算)
卸の取引では、Shopify の会社の注文に限り、明細に上代・掛率の列を追加します(商品の通常価格が会社向けカタログの価格より高い明細がある場合)。
④⑤ 税率ごとの対価の額・消費税額・適用税率
税率ごとの内訳から印字します。消費税は明細行ごとではなく、税率ごとにまとめて計算します。端数処理は税率ごとに1回だけです。
帳票に 8%・10% のような固定の文字列を書き込むことはしていません。税率は改定されうるため、実際に適用された税率から表示を生成します。軽減税率枠に複数の税率が併存する請求書(8%と1%が混在する場合など)でも、税率ごとに行を分けて印字します。
計算の詳細は消費税の計算と端数処理をご覧ください。
⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名・名称
宛名は次の順で決まります。
- 取引先を選択した場合は、その取引先の宛先名(敬称は「御中」)
- 注文詳細で宛名を入力・修正した場合は、その値
- それ以外は注文の請求先住所から組み立てます
敬称(「様」「御中」)は、設定 ›[デザイン]の宛名の書き方(「会社名 御中」「会社名 氏名 様」「氏名 様」)に従い、書類ごとに記録します。お客様が自分で宛名を入力した場合は、担当者名があれば「様」、会社名・部署名だけなら「御中」になります。
宛名を確認する画面を通らない経路(自動発行・一括発行・[印刷])では、お客様の名前がない注文(POS や管理画面で手動作成した注文)には新しく発行しません。 宛先は法定記載事項であり、「ゲスト 御中」の請求書を作らないためです。
買い手の発注番号(PO番号)が注文に入力されている場合は、請求書と納品書の右上に「PO番号」として印字します。合算請求書では明細の注文番号に添えます。
適格返還請求書(返品・取消)
前回までの合算請求書で請求した注文に返品・取消があった場合、次の合算請求書で差し引けます(Business・注文単位で請求している場合)。
日本の BtoB の月締めでは、前月の請求書は確定したものとして扱い、翌月の請求書で返品を差し引くのが一般的です。
- 1枚の書類で、請求書と適格返還請求書を兼ねます(消費税法基本通達1-8-20)。今回のお買上げと返品・取消のそれぞれについて、税率ごとの金額と消費税額を印字します
- 差額だけを記載する方式(継続適用が条件となるもの)は採用していません
- 返品・取消の行には、返品・取消の日・元の取引の日(注文日)・元の請求書番号を印字します(消費税法57条の4第3項)
- 端数処理は、今回のお買上げと返品・取消のそれぞれで、税率ごとに1回だけ行います
- 税率ごとに返品・取消が今回のお買上げを上回る場合や、ご請求金額が0円以下になる場合は差し引きません。その返品・取消は次回以降の請求書で差し引けます
- Shopify で返金を記録した返品・取消(代金を返した分)は、初期値では差し引きません(二重に返すことになるため)。合算請求書の作成画面で個別に選択できます
2027年4月からの飲食料品1%
2027年4月1日から2029年3月31日までに行う飲食料品の譲渡の消費税率は1%(国0.78%+地方0.22%)とされ、2029年4月1日に8%へ戻る予定です。
出典: 「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(令和8年9月15日閣議決定、内閣官房)と、国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月)。
法案は臨時国会に提出される予定で、2026年9月時点では成立していません。 成立時に日付や経過措置が変わっていないかをご確認ください。
制度の要点
- 対象は、現行の軽減税率の飲食料品と同じ範囲です。週2回以上発行される新聞の定期購読は8%のままです
- 税率は譲渡(引渡し)の日で決まります。 注文日ではありません
- 経過措置として8%のままになるものがあります。①通信販売で2027年1月1日前に販売条件を提示(インターネット掲載を含む)し、4月1日前に申込みを受けたもの ②2027年1月1日前に締結し、4月1日前に対価を領収した定期供給契約。2029年4月の戻しには経過措置がありません
- 請求書の記載としては、「適用税率」が1%になり、消費税額が1%で計算した額になるだけです。「軽減税率の対象品目である旨」(※印)があれば、「1%の対象である旨」の記載は不要です。1%と8%が混在する請求書も認められます(国税庁Q&A 問2-2)
アプリの対応状況
| 範囲 | 状況 |
|---|---|
| 税額計算 | 対応済み。Shopify の税率をそのまま使うため、税率が改定されても計算は変わりません |
| 帳票(PDF)の税率・消費税額 | 対応済み。税率は実際に適用された値から生成します |
| 管理画面の表示 | 対応済み |
| 会計ソフトの仕訳CSVの税区分 | 未対応(下記) |
仕訳CSVでは、軽減税率をすべて8%の税区分に寄せています。1%の請求書から出力した仕訳CSVは、消費税額と小計は正確ですが、税区分のラベルだけが「課税売上8%(軽)」のままになります。
弥生会計・freee・マネーフォワードの各社が1%用の税区分コードを公表した時点で対応します。各社の税区分は固定の文字列で、推測で作成するとインポートに失敗するため、発表を待っています。
その間、1%の飲食料品を扱う場合は、仕訳CSVを取り込んだあとに会計ソフト側で税区分を修正していただく必要があります。取り扱いは顧問税理士にご確認ください。
Shopify 側の税率の設定漏れの確認
アプリは Shopify の注文に記録された税率をそのまま使います。そのため、税率が改定された日に Shopify 側の税率を変更し忘れると、旧税率の請求書が発行されます。
アプリは「注文日(日本時間)の時点ではありえない軽減税率」の明細を検知し、注文詳細と合算請求書に警告を表示します(発行は止めません)。ダッシュボードでは改定日の90日前から予告し、施行後30日まで確認を促します。
- 施行日の直前の注文は、新旧どちらの税率でも警告しません。 税率は引渡しの日で決まるため、引渡しが施行日をまたげば新税率、通信販売の経過措置に該当すれば旧税率で、どちらも正しい請求書です
- 税率の設定を修正する場所は Shopify の税設定です。税額調整(Override)では直りません。消費税額は合わせられても、印字される税率は旧税率のままになります
次に読む: 消費税の計算と端数処理(Shopify の税額と数円違う理由)